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ここから始まるベタのお話 vol.008

形状による区分 シングルテールとダブルテール

 尾ビレの形状でベタを分けると、大きくシングルテール(ST)とダブルテール(DT)に区分する事が出来ます。シングルテールの方は、所謂ノーマルな形状で、尾ビレが1枚の団扇状に広がるタイプです。これに対してダブルテールと言うのは、尾ビレが上下2枚に分かれ、ハート型になっている個体の事です。

 このダブルテールと言うのは、本来尻ビレであったものが背ビレ部分もくっ付いてしまっている構造をしている突然変異個体を固定したものである事が、研究者によって確認されています。同様の現象は、日本のメダカのヒカリメダカにも見られます。人間に例えてみれば、両腕の部分から足が生えてしまっているような感じとでも言えばよいでしょうか?・・・って違うか。

 本来尻ビレであるものが背ビレ部分から生えてきちゃっているものですから、ノーマルな個体の背ビレに比べて一段と幅の広い背ビレになっているのがダブルテールのもう一つの大きな特徴です。結果、全体的なフォルムがショーベタの理想型と言われている円型により近くなっています。

 以前はダブルテールの尾ビレは2枚の葉が貧弱であったり、上下葉の分岐が十分ではなくハート型になった個体が多く、尾ビレの観賞価値という点ではシングルテールに劣るものでしたが、最近のダブルテールは尾ビレ上下葉が共によく発達し、ほぼシングルテールに見える個体が作出されています。

 ・・・って、ここまで読んでくると「おおっ、ダブルテールってシングルテールより素晴らしいんだね!」ってなってしまいそうですが、長所ばかりではありません。ダブルテールは、その特異な体構造のせいで脊椎骨に異常が認められます・・・って言うか、基本的に100%異常です。市場に出回る個体は一見すると何の異常も認められませんが、その兄弟達の脊椎骨はグニャグニャに折れ曲がっているんです。鑑賞に堪えうる個体の出現率が低いと言う事から、ブリーダーとしては生産効率の悪い品種と言う事が出来ると思います。

 遺伝的にダブルテールはシングルテールに対して劣性遺伝です。シングルテールの遺伝子をS、ダブルテールの遺伝子をsとすると、SSもしくはSsと言う遺伝子型の個体はシングルテール、ssの個体のみがダブルテールになる訳です。したがって、外見はシングルテールであってもSs型のヘテロタイプの両親であれば、子供に理論上は25%の割合でダブルテールが出現すると言う事になります。またダブルテール同士の交配では劣性ホモ同士の交配ですから100%ダブルテールの子供が生まれてきます。

 ただ、ダブルテール同士の交配では、脊椎骨がそれこそクルクルに捻じ曲がった個体が多数出現してしまう事から、ブリーダー達はダブルテール同士の交配を好みません。また、脊椎骨異常の為ボディが通常よりも短めな個体が多く、特にオスは繁殖の際にうまくメスに体を巻きつける事が出来ない個体もいますので、繁殖の際はメスにダブルテールを用いた方が無難です。

 その場合、繁殖に用いるオスがホモタイプ(SS)ならばF1世代はすべてへテロタイプ(Ss)のシングルテール。そしてF1同士の交配で得られるF2世代で25%のダブルテールが出現すると言う事になります。また、オスがヘテロタイプ(Ss)のシングルテールであった場合は、F1世代から50%の割合でダブルテールが出現する事になります。

 えっ?どうやって繁殖に用いるシングルテールのオスがホモかヘテロか見分けるかですって??・・・外見からは判りません(笑)。自家産のダブルテール作出したいのなら、初めからF2世代まで行く覚悟でどうぞ。ただ、ヘテロタイプ(Ss)のシングルテールのオスは、ホモタイプのオスに比べて背ビレの幅が広めである事が多いので、繁殖に用いる事が出来るオス個体を多数保有しているのならば、出来るだけ背ビレの幅が太いオスをチョイスすれば、それだけヘテロタイプ(Ss)に当たる確率は高まります。
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