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さかなおやじの作り方 vol.005

《前回より続く》

 そうそう、ハンミョウって言えば似た名前の昆虫に「ツチハンミョウ」って奴がいます。まぁ、似てるのは名前だけで見た目は妙に腹の膨れた(メスの場合)実に気色悪い虫なんですが、この虫に興味津々の時期もありました。この気色悪い虫の一生は、本当に「運次第っ!」って奴です。メス親が土の中に産みつけた卵から春先に幼虫が孵化すると自力で手近な花の上によじ登って「ハナバチ」を待ちます。そして、「ハナバチ」が運良く自分の待ち構える花の蜜を集めに来たら、すかさずエイッ!って「ハナバチ」に飛び乗ります。ちなみに、ここでミツバチだとかクマバチだとかアシナガバチだとか他のハチに飛び乗っちゃったらその時点でアウト!もちろん、待っている花に「ハナバチ」が訪れなければこれまた人生終了です。

 運良く「ハナバチ」に飛び乗る事が出来たとしても安心しちゃあいけません。この時期花の蜜集めに来る「ハナバチ」は基本的にオスです。「ハナバチ」のオスは、飛行中にメスを探して交尾します。その瞬間を狙って、オスの「ハナバチ」からメスの「ハナバチ」の体にエイッって飛び移ります。当然、たまたま自分が最初に飛び乗った「ハナバチ」のオスが醜男だったり気の利かない奴だったりすればメスに相手にされませんから、そのオスは一生メスの「ハナバチ」と接する事がないので、ジョッキー・・・もとい「ツチハンミョウ」の幼虫もその時点で人生終了!ってことになります。

 またまた運良くメスの「ハナバチ」の体に飛び乗る事が出来た「ツチハンミョウ」は、そのまま「ハナバチ」の巣までついていきます。土の中に作られたハナバチの巣の中には、親バチが集めた蜜が一杯!その上に「ハナバチ」のメスは自分の卵を産み付けて去っていきます。「ツチハンミョウ」としては、メスの「ハナバチ」が卵を産み落とす瞬間に素早く卵の上に飛び乗らなくっちゃいけません。なぜって、この気色悪いムシったら「かなづち」、つまり泳げないんです。巣の中にたっぷりと蓄えられた蜜の上に飛び降りちゃったらそのまま「ドザエモン」でゲームオーバー!ここは何としても蜜の上に筏の様に浮かぶ「ハナバチ」の卵にしがみつかなくっちゃ。なんだかダイハードの主人公みたいな奴です。

 ここで、「ツチハンミョウ」は蜜を食べりゃあいいのに、何と自分がしがみついている筏代わりの「ハナバチ」の卵から食べ始めます。自分の生命線たる筏食ってどうすんの!あんた「かなづち」だろうがぁ~!馬鹿なのかよほど楽天的なのかはともかく、とにかく「ハナバチ」の卵食べてすくすくと育った幼虫に次なる試練が(笑)。要するに、浮き輪がなくなっちゃう訳ですよね~、「かなづち」なのに。ここでも、この運次第野郎の本領は発揮されます。丁度この時期、「ツチハンミョウ」の幼虫は脱皮して2令幼虫になるんですが、この2令幼虫はなんと泳げるんですね~。・・・って言うか浮かべます(笑)。筏がなくなるのが早いか、脱皮するのが先か・・・これまたスリル満点の人生です。

 まぁ、ここまでくればまずは一安心!後は蜜の中にプカプカ浮かびながら、その蜜を食ってブクブクと太り成虫に、そしてメスは土中に卵を・・・。うーん、なんて運任せの素敵な人生なんでしょう。姿かたちはかなり醜いので似たくないですが、こんな運任せの人生も悪くないなぁ~なんて真剣に思ってたら、いつの間にかすっかり自分が「ツチハンミョウ」になってました。えっ?もちろん姿かたちじゃなくって人生ですけどね(笑)。
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こんばんは。
ツチハンミョウの話はファーブル昆虫記で夢中になって読んだ思い出があります。マンボウほど低い生存率ではないと思いますが、うまく寄生できなかった幼虫の末路がリアルに想像できるだけに、たくさんの犠牲の上に成り立つ生活環というインパクトが強い虫ですね。
[ 2011/03/05 02:26 ] [ 編集 ]
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